チームイノベーション道場in広島ティーチングアシスタントインタビュー

<プロフィール>住吉孝予(すみよしたかよ)株式会社カノン 代表取締役

TIESシーズンⅠ第1期受講生。社員と共に参加。その後も、TIESシーズンⅡ、シーズンⅢにも継続参加中。

<タイトル>

社員の力を信じ、社員自らが育つ環境にシフト

Q:TIESに参加を決めた時の会社の状況や心境、またTIESに期待したものは?

TIESシーズンⅠに参加したのは、個人事業としてペットサロンを経営していた頃です。一時は10名程スタッフを雇用していたものの徐々に減少し、人材育成の課題を抱えていた時期です。先々、息子を後継者にしたいとも考えていましたので、組織作りや今後の事業展開を考えての参加でした。

Q:TIESでの学びは経営や事業にどんな影響や変化をもたらした?

TIESに参加した主な理由は人材育成だったんですが、学ぶにつれ、そこだけが課題ではないことに気づきました。それまでは、私の考えに従って動いてくれたり、思いを汲んで動いてくれる社員を育てることに意識が向いていたんですが、大切なのは、社員が自ら学び成長できる組織作りだと感じました。「社長の器以上に会社はならない」ということをよく耳にしますが、経営者がいくら学んでも、自分が一番偉いと思っている限り、会社も経営者も成長しません。若いスタッフの可能性や優れているところを認めて自らで考える機会を与えれば、その吸収力や柔軟性を持って、経営者よりもさらに成長するはずです。経営者である私よりも、社員に学ぶチャンスを用意すべきだと思いました。

個人事業主の方の多くは、仕事が忙しくなった時に、「自分が3人いれば」と思いがちです。そのため、社員に経営者と同じような働きを求めますし、ダメなところも指摘してしまいます。そうではなく、社員を信じて任せるという選択が、組織の成長に繋がっていくということをTIESで学びました。

現在も、シーズンⅠに従業員と一緒に参加していますが、ケースメソッドやオフサイトミーティングを通して、経営者目線で物事を考えるということ、さらに社員目線で考えるということもいつも再確認しています。それぞれ立場が変われば考え方も変わりますし、答えは一つではないということは、私の中で大きな気づきに繋がっています。また、容認すること、チャレンジすること、失敗することを許せる組織、チャレンジャーが育つ組織作りが必要だとも痛感しています。

実は、TIESに参加を決めた頃は、これ以上人を育てることに限界を感じ、私一人で仕事を続けようかと悩んでいたんです。ですがTIESに参加したことで、社員の力を伸ばしていくことに可能性を感じ、2018年には法人化にも踏み切れました。それまで、私の感覚だけでこなしていた商いを、自社の持つ弱みや強みを捉えた上で科学的な経営に転換すること、同時に、明らかになった強みにさらに磨きをかけ、新たなフィールドへ展開していくことなど、変化やチャレンジを前向きに捉える姿勢が身につきました。

Q:TIESの学びは自分の考えにどんな影響や変化をもたらした?

一番変わったのは、自分の考え方です。社員の力を信じるようになりました。育てるのではなく社員自ら育つ環境を整え、それぞれの能力を客観的に評価できるようになったことで、人を活かす経営に変わりました。また、失敗を恐れるのではなく、どのように対処し改善していくのかを建設的に考えられるようにもなりました。

私にとって、TIESは「水」のようなイメージなんです。例えば色んな考え方や学びをサプリと捉えるならば、いくら良いサプリがあっても水がなければ、身体中にその良さを行き渡らせることができません。つまり、TIESは私にとっての判断のベースであり、そのベースを養うことができたことは大きな財産です。

Q:​​TIESでの人との繋がりが、組織や自分の考えにどんな影響や変化をもたらした?

TIESで自社の強みについて考えるとき、他の方から意見をいただくことで、自らのこだわりや視野の狭さに気づかされることも多かったです。逆に言えば、可能性が広がったとも感じています。TIESは講師陣から教えられるのではなく、自ら答えを見つける場。現在も継続してTIESに参加していますので、毎回学びが深まっていると感じています。

Q:TIESでの学びを、今後どう活かしたい?

シーズンⅠ、シーズンⅡ、シーズンⅢと全て参加したことで、自分の仕事が何を目指していくべきなのかがとてもクリアになったと感じています。その考えに共感してくださる参加者の支えもあり、「一般社団法人ペットとひとにやさしいまちづくり協会」を立ち上げ、フォーラムを開催、クラウドファンディングにも挑戦しました。今後、自社のメリットにどのように繋げていくかはまだ手探りの状態ですが、協会の活動もさらに広げていきたいと考えています。皆さんからは「巻き込み力がある」と言われるんですが、私1人が走ったとしても社会は変わりません。時間はかかっても一人ひとりに丁寧に私の思いを伝えながら、賛同していただくことが必要だと感じています。

Q:実感する「TIESの成果」とは?

社員と会社の成長であり、私自身の成長です。これからも可能性を持って成長していければと思います。

Q:今後、どんな方にTIESへの参加を勧めたい?

自ら成長したい方や、変革を求めている方に勧めたいですね。特に、ケースメソッドを使った学びは、経営陣や、幹部の方々には得るものが大きいと思います。